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毎日の、楽しいこと


by song6for_hana

フェルメール 

「牛乳を注ぐ女」とオランダ風俗画展

    @国立新美術館 

2007年9月26日~12月17日

本日初日のフェルメール展。
展覧会の初日に行くって初めてだから、楽しみだった。
でも、国立新って印象派とかモネとか、日本人受けしそうな企画が続くからどうなのよ??って思ってた。国立って付くくらいだから、入館者数を気にした売れ線の企画ばかりなのかなって。

実際、フェルメールの生の絵には思ったより感動しなかった。
なんか、ルーブルでさりげなくフェルメールが飾られているのを見てから、一枚の小さな絵が広い展示スペースにぽつんと飾られているのって、フェルメールの絵の雰囲気を損なっているような気がして。
日常のさりげない風景を、意図的に描いた絵だからこそ「あっ、こんなところにフェルメールがある!」って思わせる方が、雰囲気出る。
だって、彼の絵ってさりげない教訓だったり、構図、技が特徴じゃない?


でも、このフェルメール展、フェルメールの絵以外も面白い。
フェルメールの時代の音楽と称するスペースがあり、楽器が展示されている。
「音楽のレッスン」でモチーフになっているヴァージナル。
「一杯のワイン」「中断されたレッスン」「恋文」で使用されているアーチ・シターン。
そして、展示の奥には「牛乳を注ぐ女」の再現が!
これはおもしろかった。絵で何度も見ている構図だけど、3次元で再現されるとうける印象が違う。絵の中のオランダに、より一層近づく感じ。

でも、この楽器の展示、説明ボードが読みにくい。11もの楽器の説明が同じ壁に2列になって縦に飾られているのだ。その狭い壁に観客が目をこらして楽器の名前を見るべく集まってくる。
人の頭が邪魔で見れたもんじゃない。
この説明ボードは変えるべき。

●気になった作品●
○ヤン・ハーフィクスゾーン・ステーン
《酔っ払った男と女》1663年-1655年頃

題名通り、酔っぱらった男と女が出てくるのだが、それらを見つめる猫がいい。
冷静っぷりに乾杯。

○ヤン・ハーフィクスゾーン・ステーン
《家族》1665-1668年頃

オランダでは陽気で楽しい家族を、ステーンの絵になぞらえて「ステーンのような家族」と言うそうです。素敵★

○ヤーコプ・マータム
連作「聖書の主題のある台所と市場の場面」1603年頃
《「エマオの晩餐」のある台所の場面》

聖書の主題はまさに、意味のこじつけ。台所のほうがずっと手前にあり、目立っている。なんだか舞台裏をのぞき見する気分♪

○ヤン・エーケルス2世
《ペンを削る男》1784年

フェルメールに傾倒していたと言うが、これはまさにフェルメール的!


フェルメールの作品は1つだけ。これでもフェルメールを中心に頑張って展示の工夫をしている様子が見られる。HPの解説も気合い入ってるし。
でも、HPでフェルメールの作品が展示室に運ばれるまでを綴ったエピソードは面白い。
実際、そんなエピソードを見なければ、外国の貴重な作品を運んでくることの大変さはわかってもらえないだろう。そこでは成田からの運搬風景が写真を通して伝わるが、本当はいろいろな指示が出ているのだろう。(保存に関する条件など)

国立新美術館、国立といえども頑張っている感じがする。
やっぱり、お国の美術館なので売れ線の企画をして入場者数を上げようとしているのか(単にお国の美術館だから、税金を使っている以上一般受けする企画にしているのか)わからないが、展示の工夫は個性を出そうとしているのがわかる。
これからどんな美術館に発展していくのかがとても楽しみだ。


●つけたし●
ただし、国立新美術館ってゆう名前は変えるべき。
新国立劇場とか、国立の新しい建物‘新’をつければ良いってもんじゃない。
混乱するだけだから、全く異なる愛称を付けて欲しいな。

国立新美術館
フェルメール _c0101793_2026067.jpg
 
まだできたての頃の国立新美術館。だから冬服の人がいっぱい。
今日は少し秋になったけど、まだまだ。
by song6for_hana | 2007-09-26 20:26 | museum