人気ブログランキング | 話題のタグを見る

毎日の、楽しいこと


by song6for_hana

キスリング展-モンパルナスの華

@府中市美術館

2007年10月13日(土)~11月18日(日)

入場料:一般 800円
     高校生・大学生 400円
     中学生・小学生 200円

レポート昨日のうちに書き終えることができたので、暇な時間が半日。
良いお天気だし、きれいな空気が吸いたくて、のんびりしたくて、
「郊外の美術館に行こう!」
と思い立って行ってきました。

キスリング展-モンパルナスの華_c0101793_0115130.jpg


JR中央線武蔵小金井駅からバス。
東京の郊外は、人々の生活を感じさせます。

府中の森公園のすみっこに建っている美術館で、空気が良い。
美術館の周りには木もいっぱいあるし、テニスコートでテニスを楽しむ人たちの音とか、
少し離れた遊具で遊ぶ子どもたちの歓声とか。
並木道には公園を行き交う人がたくさんいました。
平日、水曜の午後にこんなに人がいるとは思いませんでした。

美術館も思ったよりお客さんが入っていましたが、ほどよい人数で見やすかったです。
キスリングって、知らなかったけど、とても印象的でした。

キスリングの描く女の人って、人形かマネキンみたい。
それに、画面から浮き上がって見えるんです。
彼はほほ、肌、唇、目のかき分けがすごくうまい。
特に唇。唇だけ見ていてもすごくたくさん描き分けられているから、おもしろい。
こんなに唇に注目して見た展覧会は初めて笑

それに、彼は赤を使うのが上手い。
赤が効果的に用いられていて、鮮やか。
派手すぎない、落ち着いた赤だから、心地よく視界に入ってくる。
印象的な絵にはほとんど赤が用いられていたかな。
もちろん、彼の自画像で着ていた服も赤でした。
赤が、好きだったんだろうな。

そして、彼の代表作の壁にはその赤が用いられている。
それも、展示としてとっても効果的でした。
絵がすごく栄えていました。

オルセー美術館ではマネの「オランピア」の壁が赤かったけど、それと同じ。
赤って、難しいけど、絵によってはすごく合う。

キスリングって、不思議な人だったな。
フィギィアみたいな、人形みたいな人間の絵を描く人。
現在、生きている人だったら、フィギュアが好きになっていたかな。

もし、この展覧会をもう少し空間のある部屋で催すことができたらもっと良かったと思う。
すこし、狭い感じもしたし、彼の絵は遠くから眺めることも必要だと思うのに、
部屋が狭いので少し近めで見なくちゃならなかったのは残念。
それに、空間がもっとあった方がもっと開放的に見ることができたかも。

それと、この美術館、教育活動も盛んらしく、府中の子どもたちはパスを持ってくればただで入館できるらしいし、学芸員による鑑賞授業ってゆうのもあるらしい。
市の美術館と市民が、近い距離にあることが感じられてとても良かった。
市民が集う公園内に建っているのもすごく良い。
府中の森公園って、本当にたくさんの人が集っているから。
「街の美術館、好き!」って言ってもらえるような美術館なんじゃないかな。
建物もクリーム色で、高さもないし、ガラス張りで中が少し見えるから、威圧感もなくて入りやすいんじゃないかな、と思います。
公園にとけ込んでる。

都心の有名な美術館もすばらしいけど、郊外の美術館も、生活の中の芸術を実践するという点で、負けてないな!と思いました。
by song6for_hana | 2007-11-15 00:32 | museum